悪魔の仕掛人



「もうお前との関係はこれで終わりにしよう」
立川淳治は戸川法子とのラブホテルでの営みの後、兼ねてからの計画通り別れを切り出した。
「どうして?私にお金がなくなったから?」
「そうだよ。金のない三十路女なんかに興味はないんでね」
法子は小さいながらも会計事務所を経営していた。
しかし、折からの不況の煽りを受け、経営が厳しくなってきたのだ。
まだ倒産したわけではないが、本人曰くそれも時間の問題らしい。
それなりの金を持ってホストクラブに遊びに来てくれているうちは上得意客として持てなしていた淳治だが、所詮ホストクラブでのつき合いなんて『金の切れ目は縁の切れ目』だ。
そのルールにしたがって別れ話を切り出した。
淳治にはそれくらいの感覚しかなかった。
最後に抱いてやったのはこれまでの感謝を込めてのサービスのつもりだ。
「これまで散々貢いであげたのに…。捨てないでよ、ジュン」
淳治は店では"ジュン"と呼ばれていた。
「お店でもらった金はサービスに対する対価だろ?日頃のストレスを忘れて気持ちよく遊べたんだろう?それ以外お金なんかもらってねえぜ」
「何を言ってるの?個人的にいろんなものを買ってあげたじゃない」
「店の客とホストという関係があったからだよ。お前にヘソを曲げられて店に来てもらえなくなるのは俺にとっても店にとっても痛いからな。でも俺たちのサービスに支払うお金がなくなった今は俺がお前とつき合う理由はなくなっちゃったんだよ、残念ながら」
淳治は部屋を出て行こうとした。
「あっ、今日が最後だから、この部屋のお金は俺が払っといてやらあ。これまでの感謝を込めて、な」
「なんて人なの!恨んでやる」
「それは筋違いってやつだろうが?俺たちはビジネス上の関係だったんだからよ」
淳治が部屋から出て行った。
ドアの向こう側に枕か何かが投げつけられた音がした。
「ジュンなんか死んじまえ」
そして中から惨めな女の泣き叫ぶ声がした。
「あーあ、いい客だったのにな。惜しい客を逃したなぁ」
淳治は言葉とは裏腹に、さして残念そうでもない表情でホテルを後にした。

淳治は部屋に戻ってすぐに服を脱ぎさりベッドに潜り込んだ。
トランクス一枚だけで寝るのが淳治の夏スタイルだ。
(そう言えばあの女恨んでやるって言ってたな。明日から刺されないように外に出るときには注意しなきゃあな)
淳治は一度だけ逆恨みされて刺されそうになったことがあったのだ。
その事件からまだ半年も経っていない。
犯人は法子と同じように上客だった女だ。
同じように『金の切れ目は縁の切れ目』で別れたのだ。
女が犯行におよんだのが店の中で、しかも営業時間だったため、人が多くいたのが幸いした。
女の異常な動きに気づいた者たちがそれとなく女を監視していたのだ。
女が果物ナイフのようなものを取り出したとき複数の人間がその女を止めに入った。
すると女は大声で泣き出してその場にしゃがみ込んでしまった。
そして駆けつけた警官に女は連行された。
淳治はそのときのことを思い出したのだ。
(客商売もなにかと大変だよな)
そんなことを考えながら眠りに落ちた。


夢を見た。
法子が出てきた。
「ジュンなんか全然女の気持ちを分かってないわ。そんな状態のままだとジュンの好きなビジネスにも響くわよね?だからさ、私の力でジュンを女にしてあげる。女の気持ちっていうのを実感できるわよ。うふふ」
法子は腕組みをして偉そうな態度だった。
「そんなことできるわけがないだろ」
淳治はそう言いながらもうろたえていた。
「そうね。普通はできないわよね?でもここは夢の中よ、何だってできるわ」
法子がウインクした。
すると一瞬にして、淳治の身体は女になった。
乳房が膨らみ、股間からはペニスが消失した。
「何するんだ。やめてくれ」
目の前に鏡が現れた。
そこには頭部が淳治のままで身体だけが女性になった姿が映っていた。
身体は見事なプロポーションなのだが、それに淳治の顔がついているのだ。
その姿は気持ち悪いだけだった。
「男みたいにゴツイ身体よりずっと綺麗でしょ?何なら顔も可愛い女の子にしてあげようか?」
「やめろ。元に戻してくれ」
法子は淳治の言葉を無視して、ゆっくりと淳治に近づいた。
「ほら、綺麗なバストでしょ?」
法子が淳治の乳房に触れた。
淳治はなぜか動くことができなかった。
ひんやりとした法子の手が自分の胸を触るのを感じた。
法子は淳治の乳房を優しく揉んだ。
法子の手の動きに合わせて快感を感じた。
「どう?気持ちよかったら声を出していいのよ。ここじゃ誰も聞いてないから恥ずかしがることなんてないわ」
「誰がっ……」
淳治は目を閉じて必死に耐えていた。
「強情ね。それじゃこれはどう?」
法子が淳治の乳首に手のひらを当て、手のひらで乳首を転がすように手を動かした。
乳首から伝わる快感は乳房を揉まれる比ではなかった。
「…ぁぁぁ……」
淳治は溜まらず声を出した。
「そう…その調子よ…可愛いわ…ジュン」
「…やめろ…って言ってんだろ…」
「うーん…男の声のままってのも興ざめだわね。可愛い女の子の声にして、女の子口調でしか話せないようにしましょう」
法子がまたウインクした。
「やめ…やめて…お願い……ひどいことしないで……」
淳治が発した言葉は淳治の意に反して女性の口調だった。
しかもとても可愛らしい声だった。
「あら、可愛い。萌えーだわね。これでこそ苛め甲斐があるってもんだわ。それじゃもうひとつアイテムを加えましょうか」
法子が怪しく笑って、ウインクした。
そして淳治を抱きしめた。
すると股間の辺りに何かぶつかるものがある。
見ると法子の股間に雄々しく反り立つペニスがあった。
「どう?ジュンのおちんちん、もらっちゃった」
確かに見覚えのあるホクロがあった。
「さあ、フェラしなさい」
「…ぃゃ…そんなこと…できない…」
「ジュンに選択権はないの。さあさっさと銜えなさい。何なら噛んでもいいわよ。歯形のついた痛々しいおちんちんをジュンに返すことになってもよければね」
法子は淳治を無理矢理ひざまずかせ、淳治の顔にペニスを押し当てた。
「ほら、早く。銜えなさい」
生臭いアンモニア臭が淳治の鼻をついた。
(こんなものを口に入れるのなんて絶対にイヤ)
そもそも自分のペニスだったにもかかわらず淳治はペニスに対し強い嫌悪感を持った。
そんな淳治に対し、法子は淳治の頭を抑えて淳治の口にペニスを押し込めようとした。
淳治は口をしっかりと閉じていた。
法子はペニスを握り、淳治の口に近づけた。
淳治の唇に法子のペニスの先が触れた。
淳治は「やめて」と言おうとして、口を半開きにしてしまった。
法子はそのスキを見逃さなかった。
一気に淳治の口にペニスを押し入れた。
淳治は一瞬のことで全く抵抗できなかった。
「銜えてるだけじゃダメなの。ちゃんとしゃぶりなさい」
淳治は入ってきたペニスを舌で押し出そうともがいた。
しかしそれがうまい具合にペニスに舌を絡めることになった。
「なかなかうまいじゃない。さすがナンバーワンホストね。おちんちんをしゃぶるのがこんなに上手だなんて」
必死にペニスを押し出そうとしているうちに、淳治は妙な高揚感を感じた。
自分が自分自身のペニスをしゃぶっていることに興奮してきたのだ。
淳治は自ら進んでペニスをしゃぶった。
自分が男であったことも忘れてしまったかのようだった。
淳治は自分が舐めたり吸ったりすると微妙にペニスが反応を返すのが楽しかった。
ペニスの先から苦い液体が出てきた。
淳治は射精の瞬間が迫ってくることを覚った。
口の中で射精してもらえるようにさらに強く刺激を与えた。
ついに法子は淳治の口の中で射精した。
淳治の口の中に苦く粘っこい液体が広がった。
「さあ全部飲み込むのよ。一滴でも零したら承知しないからね」
言われるまでもなく淳治は積極的に法子の放った精液を飲み込んだ。
それだけでなく精液で汚れた法子のペニスに舌を這わせ綺麗に舐めあげたのだ。
おかげで法子のペニスはすぐに元の通り元気な状態になった。
「それじゃいよいよジュンの"初めて"をいただきましょうか」
淳治は自ら進んで仰向けになり脚をM字にして法子を待った。
法子のペニスが淳治の膣口にあてられた。
その瞬間これまでの高揚感が冷め、恐怖が襲った。
「ぃ…ぃゃ…お願い……許して……」
「いいわね、その反応。男が嫌がる女を抱きたがるのが分かるような気がするわ。すごく興奮するもの」
法子は淳治に向かって全体重をかけた。
淳治は股間に杭を打ち込まれたような痛みを感じた。
「いやぁぁぁ……やめてぇぇぇ…」

「わあああ」
淳治は起き上がった。
すでに正午近いのかカーテンの隙間から強い太陽の光が差していた。
淳治は自分の胸を確認した。
いつものように乳房のない男の胸板だった。
「夢…だったのか…」
淳治はさらに念押しするように胸に手をあてた。
確かに乳房はなかった。
「ああ、よかった…」
淳治はホッとすると、いつもの余裕が戻ってきた。
「せっかくのチャンスだからもっと女の快感ってものを経験したかったな。惜しいことをしたかな」
淳治はそんな冗談を言えるくらいになった。

淳治は朝の用を足しにトイレに入った。
便座をあげて、ペニスを取り出そうとした。
しかしそれらしきものは手に触れない。
いつもは朝一番とても元気なペニスなのに。
淳治はトランクスを下げ、自分の股間を見た。
そこにはペニスの代わりに一筋の割れ目があった。

「わあああああ」
淳治は驚いて尻餅をついた。
その拍子に夜の間に溜まっていたおしっこが全部流れ出てしまった。
おしっこで濡れたトイレの床に淳治は座り込んでしまった。
トランクスを膝まで下ろした状態のまま淳治は次の行動を起こすことができなかった。
漏らしたばかりの生暖かいおしっこの感触が尻を通して感じる。
その感覚はまさに夢ではなく現実であることを示していた。
それが余計にショックだった。

やがて暖かいおしっこも冷たくなった。
(いつまでもこんな状態じゃいられないよな)
淳治はヨロヨロと立ち上がった。
雑巾でトイレの床を拭き、おしっこで濡れたトランクスを洗濯機に放り込み浴室に入った。
おしっこを漏らしたため股間に集中的にシャワーの水を当てた。
しかし自分のものとは思えないものに対しては手で洗うということはできなかった。
淳治はシャワーの水を当てるだけで精一杯だった。
その箇所をできるだけ見ないようにして拭くのもそこそこにトランクスを履いた。
「とりあえず仕事に行くか」
淳治は職場に向かった。

その日は何とか過ごした。
トイレで個室を使う以外は何とか日常のように過ごすことができた。

仕事から帰っての晩、淳治が寝ようとするとなぜか隆徳の顔が浮かんできた。
隆徳は同じホストクラブで淳治といつもトップ争いをしているダチだ。
男気のあるやつで淳治は結構好きな奴だった。
それにしてもなぜ今隆徳の顔が?
淳治は自分でも不思議だった。
「リュウ」
淳治は無意識に隆徳の店でのニックネームを呟いた。
なぜか胸が熱くなった。
と同時に股間も熱くなった。
淳治はトランクスの中に手を入れ、女性の部分に手をあてた。
指を動かすと小さな突起物に触れた。
痛かった。
ゆっくりと優しく触った。
身体に快感の電気が走った。
「…んっ……」
思わず声を出してしまった。
(これがクリトリスか)
淳治はその行為をやめることができなかった。
(すご……すご…すぎる……)
膣から粘りのある液体が出てきた。
淳治はそれを指につけクリトリスを刺激し続けた。
「…ぃぃ……リュウ……」
隆徳の股間の膨らみがなぜか頭に浮かぶ。
(あれを…入れて欲しい……)
そんなことを考えてすぐに否定した。
(何…考えてんだ…俺は…)
それでもクリトリスを触ることはやめられなかった。
淳治は頭が白くなるまでその行為を続けた。


次の日の朝になっても淳治の股間は女のままだった。
さすがに少しは状況に慣れてきた。
いつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。
『何とかしなくては』と考えるようになった。

淳治は原因と考えられる法子に電話をした。
「もしもし、法子か?」
「何だ、ジュンなの?どうして電話なんかしてくるの?」
「ちょっと会えないか?」
「もう会わないんじゃなかったの?」
「とにかく一度会ってくれ」
「へぇ、ジュンが頼むなんて珍しいわね。それじゃ会ってあげるわ。迎えに来て」
「分かった。それじゃ少し早めに店を切り上げて迎えに行くから」
淳治は法子が何かをしたんだと思っていた。
そして会って何としてでも元の身体に戻してもらおうと考えていた。

淳治は仕事に行った。
すでに隆徳が来ていた。
「ジュン、お前昨日からちょっとおかしいんじゃないのか?」
隆徳が淳治に話しかけてきた。
「そんなことないさ。大丈夫だよ」
そんな返事を返したが、実際は淳治は隆徳が自分の変化に気づいてくれていることがなぜか嬉しかった。
淳治が隆徳に背を向けたときに隆徳の手が淳治の尻に伸びた。
「何するんだよ」
「ははは…まあまあ元気そうだな。それにしても、何となくお前の尻が艶っぽく感じたんだ。俺も疲れてるのかな」
淳治は隆徳の観察眼の鋭さに驚いてしまった。
(リュウは俺の身体の変化を感じているのかもしれない)
そう思ったが、それを確かめるすべもなく、その日も平静を装って仕事をこなした。

予定通りに少し仕事を早めに切り上げて法子のところに向かった。
淳治は法子を車で拾い、いつものラブホテルに向かった。
部屋に入るといつものように法子がキスしてきた。
淳治は法子の好きなようにやらせていた。
法子は淳治の首に両手を回し長い長いキスをした。
やがて右手だけがゆっくりと下半身に伸びて、動きが止まった。
「何?どうしちゃったの?何もないじゃない」
「これってお前の仕業じゃないのか?」
「仕業って何よ。どうなってるのかさっぱり分かんないわ」
「見せてやるよ」
淳治は履いているズボンとトランクスを脱いで仁王立ちの状態になった。
法子は淳治の股間をじっと見ている。
「一日で切っちゃったの?」
「そんなわけないだろう」
淳治は法子に夢の話をした。
「それで私がジュンを女にしたって思ってるの?バッカじゃない?そんな力私にあるわけないでしょ?」
「そりゃまあそうだけど…」
「それより本当にそれって本物なの?ちょっと見せてよ」
法子は淳治をベッドに座らせて割れ目を押し広げた。
「へえ、本当に本物なのね。…あら?濡れてるんじゃないの?」
法子の指が淳治の股間に触れた。
「ほら」
法子は人差し指の先についた粘液を親指にもつけて伸ばして見せた。
「もしかして見られて感じてるの?SなアンタがオマンコつけられてドMに変わっちゃったんだ。だったらちょっとくらい触ってあげようか」
法子は淳治の股間をゆっくり優しく触った。
淳治は声が出そうになったが、必死に耐えていた。
これ以上法子に恥ずかしいところを見られたくなかったのだ。
法子の行為はそれほど長くは続かなかった。
「淳治ってすっかり女の子になっちゃったのね。おかげでジュンへの気持ちも冷めちゃった。それにあたしはレズの趣味はないからあんまりこんなことしても楽しくないの。それじゃね。もう本当に会うことはないと思うわ」
法子はさっさと部屋を出て行った。
あとには中途半端に刺激をされて欲求不満状態の淳治が残された。

法子の中途半端な行為のせいで、火照った身体のまま部屋に帰ってきた。
淳治は自分の身体を静める方法を知らなかった。
そのまま自分で慰めるしかなかった。
淳治は全裸になり、昨日と同じように隆徳を思い浮かべてオナニーをした。
息もあがり、いよいよ高まりに昇りつめようとしたときにインターホンが鳴った。
淳治は無視を決め込んで、行為を続けようとした。
「おーい、ジュン。俺だ、リュウだ。いるんだろ?開けてくれよ」
聞こえてきたのは隆徳の声だった。

気だるい気分のまま淳治はガウンだけを纏って玄関のドアを開けた。
「ちょっとだけいいか?」
「何だ?」
「寝てたのか?」
「まあな」
「ちょっとだけだから」
隆徳は半ば強引に部屋に入ってきた。
「おっ、彼女でも来てたのか?すっげえ女臭えぞ」
部屋に入るとすぐに隆徳が言った。
そんなに臭ってるんだろうか?
淳治は内心ビクビクしていた。
「彼女なんか来てねえよ」
それでも平静を装ってそう答えた。
「そうか?それにしちゃ相当匂ってるけどな。まあいいや。ところで昨日からお前何か変だぜ。何かあったのか?」
「何だ、そんなことか。いや、別に。特に何もないよ。そんなことのためにわざわざこんな時間に来たのか?」
「来た理由はそれだけじゃないんだけど」
そう言ったかと思うと、隆徳が急に淳治に抱きついてきた。
淳治はバランスを失いベッドに押し倒された格好になった。
「ジュン、俺なんかおかしいんだ。お前を見てるとなぜかドキドキするんだ」
「よせ、男同士だぞ」
「構わないさ」
淳治は隆徳にキスされた。
淳治は抵抗する気もなく、むしろ隆徳の舌を積極的に受け入れた。

隆徳の手がガウンの中に入ってきて、淳治の胸を触った。
ガウンの下は何も身につけていない。
「痛い」
淳治が短く叫んだ。
そこには小さなしこりができていた。
(朝はこんなのなかったのに…。まさか胸まで大きくなるのか?)
淳治はそんな予感がした。

淳治は隆徳の手を股間に移動させた。
一瞬隆徳の手が止まった。
すぐにその部分を手のひら全体で擦るように動かした。
「おい、どうなってるんだ?」
隆徳は淳治の脚を大きく開かせて股間を観察した。
「そんなに見ないでくれ」
「そんなこと言ったって…。淳って女だったのか?いやそんなはずはない。俺はお前のモノを見たことがあるもんな。確かに男だった」
「分からない。分からないんだ。昨日からこうなっていて」
「だから元気がなかったのか?」
「ああ」
「で俺はお前に女を感じたってわけだ。なるほどな。……それじゃクンニしてやろうか?」
そう言ったかと思うと隆徳の舌が淳治の股間を這い回った。
「あぁぁぁぁ……、すご…ぃ……」
淳治は隆徳の舌がもたらす快感をそのまま甘受していた。

「なあ入れていいか?」
淳治はクンニの強い快感で頭がボォ〜ッとしていた。
したがって返事をする気力もなかった。
しかし隆徳のペニスが欲しくてたまらなかった。
淳治は隆徳の次の行動を黙って待った。
隆徳のペニスがゆっくりと淳治の中に入ってきた。
全然痛くなかった。
すごく気持ちいい。
淳治は自分の身体に入った隆徳のペニスの動きを感じていた。
すごく気持ちいい。
あまりの気持ち良さに身体と心がバラバラになってしまいそうだ。
やがて隆徳のペニスから熱い物が淳治の身体の中に放れたのを感じた。
頭が真っ白になった。

気がついたときもまだ隆徳が自分の身体に密着していた。
隆徳はゆっくりとペニスを出そうとした。
淳治はもっとそのままの状態でいて欲しかった。
気持ちを股間に集中させペニスが出て行かないように締め付けた。
隆徳のペニスはすぐに元気を取り戻した。
「もう一回…いいだろ?」
淳治の言葉に隆徳はニヤッと笑って、再び抽送を始めた。
結局3度の射精をして二人はそのまま眠りに落ちていった。


次の日になると淳治の股間から出血があった。
生理だった。

生理が終わると毎晩のように隆徳に抱かれた。
毎晩3回以上の交わりがあった。
元々隆徳はセックスには淡白なほうだった。
しかし淳治とのセックスは特別なようで何度も要求に応じてくれた。
淳治は隆徳に抱かれるのが大好きだった。
淳治は隆徳の前では『女』だった。

実際、外見でも生理以降、淳治の女性化の速度があがった。
まるで第二次性徴の変化を早送りしているようだった。
お尻が大きくなりウエストラインが形成された。
しこりから始まった胸の変化は1週間でAカップまでになった。
声も少しだが高めの声になった。

淳治は服装の嗜好も女性のファッションに向かっていった。
当然のように女性の下着をつけ、女性の服を着た。

1ヶ月すると胸はDカップまで成長し、夢で見たような見事なプロポーションに成長した。
ホストではそれほど高くなかった175センチという身長は女性になると高すぎるように思えた。
しかしその身長も見事なプロポーションのためにファッションモデルのように見えた。
身長の高さは淳治の魅力にマイナス要因にならずにプラスに働いたのだ。
もちろんホストでナンバー1になるくらいの美形はそのまま引き継いでいた。
女になっても美人だった。

ある程度女性化の進行が落ち着いてくると、名前を『淳子』と変えてホステスに転身した。
淳子が高級クラブでナンバーワンになるまでそれほどの時間を必要としなかった。




隆徳は淳治の存在が目障りだった。
こいつさえいなければ俺がナンバー1になれるのにいつもギリギリのところで1番になれなかった。
常に2番手という位置に甘んじていたのだ。
淳治が変に友好的なところも偽善的で嫌なものを感じていた。
隆徳は淳治に対しいい感情は全く持っていなかった。

インターネットで「悪魔の仕掛人」というふざけたサイトを見つけた。
何でも法では裁けない悪をやっつけてくれるのだそうだ。
また日常のちょっとした仕返しも可能なんだそうだ。
報酬は幾ばくかの金銭か依頼人の寿命。
おそらく日頃から社会に不満のある奴がこんなサイトを作ったんだろう。
それにしても訪問者数がすごい数だ。
掲示板も感謝のコメントに溢れ返っている。
サクラを使っているにしてもなかなか頑張っているサイトと言えるだろう。

このサイトを見ているときに隆徳の頭に馬鹿な考えが浮かんだ。
「このサイトを使って淳治を懲らしめてやるか」
どうせ遊びなら好きなことを書いてやろうと思った。
「ターゲットは"立川淳治"と。罪状は"ホストクラブで女を食い物にしてる"くらいでいいか。嘘じゃないしな。処刑内容は"食い物にされた女の恨みで徐々に女性化する"と。こんなあり得ねえこと書いたらどうなるのかな?とりあえず、これで"送信"っと」
モニターに確認画面が現れ、隆徳が入力した内容が表示された。
「よしよし、それじゃあ"確認"っと」
画面に「受領しました」の文字が現れた。
画面下には口座番号やら何かの注意書きなどが現れた。
報酬は10万円と相応の寿命だそうだ。
「こんなもんで俺がトップになれるんだったら安いもんだな」


次の日、どことなく淳治の様子がおかしかった。
いつもの元気がない。
どことなくおとなしげだった。
それ以外特に変わったことがあるわけではないのだが。
それでも注意して見ていると不思議なことに気がついた。
トイレでは必ず個室に入っていくのだ。
(まさか本当に女になってるのか?まさか、あんなサイトに送ったくらいで?)

夜メールが届いていた。

復讐は果たした。8月27日までに指定された口座に10万円振り込め。さもなくばお前も同じ目に会うか、お前の生命をいただくぞ。

隆徳は自分のしたことが恐ろしくなった。
とにかくまず淳治の状態を確認しようと考えた。

次の日、淳治が着替えるのを見計らって隆徳は更衣室に入った。
予想に反して隆徳の胸には乳房がなかった。
(何だ、金を要求しておいて何ともなってないじゃないか)
少しホッとした気持ちになったが、よく見ると淳治の尻が妙に艶っぽい。
隆徳は淳治の尻を触った。
「何するんだよ」
「わりぃ。何か艶っぽく見えたから」
隆徳は内心大きく動揺していた。
確かに女の尻だった。

隆徳は恐くなってすぐに指定された口座に10万円振り込んだ。


報酬を振り込んで、その足で淳治のマンションに行った。
何としてでも確認しなくてはならない。
そんな気持ちだった。

部屋に入ると隆徳には淳治のマンションに来るときのような追い詰められた気持ちはなぜか消えていた。
淳治が女になってるんだったら抱きたい。
そういう気持ちだけに満ちていた。

部屋には女の甘い匂いが充満していた。
淳治がオナニーでもしてたんだろうか。
だとすると身体も心ももう準備万端ってことだ。
ここはそれほど無理しなくても淳治は落ちるはずだと考えた。
はたして隆徳の予想は正しかった。
淳治はキスを許し、簡単に股を広げた。
予想に反して処女でなかったのは残念だった。
どうせ女になれたんで、いろんなものをオマンコに突っ込んでいたんだろう。
それにしても淳治のオマンコは絶品だ。
隆徳のペニスにねっとりとまとわりつくようだ。
隆徳がひとりの女に一晩に3度も交わるなんて初めてだった。
淳治は隆徳によって女になったのだ。

隆徳とのセックスのせいなのかどうかは知らないが、淳治の女性化は急速に進んだ。
毎日変化していく身体を抱くのはすごく楽しかった。
まるで隆徳自身が淳治を理想の女にしているような錯覚すら覚えた。
乳房が形成され、綺麗なくびれもできた。
喘ぎ声はすでに女の声だ。
それにしても隆徳自身、自分がこれほど絶倫だとは自分自身でも知らなかった。
毎晩のように3回、4回もセックスできるのだ。
気がつくと淳治の部屋に入り浸りになっていた。

昼間は全く動く気になれなかった。
そんな状態だから仕事は首になった。
にもかかわらず、次の仕事を探す気力もなかった。
生きる屍のようだ。

淳子の稼ぎがどんどんあがっていったので、生活には困らなかった。
それどころか裕福な暮らしができた。
隆徳は全く働かなくなった。
それでも夜のセックスだけはしっかりと毎晩数回交わっていた。
隆徳と淳治はほとんど同じ年だった。
しかし、セックスで疲れるせいか、淳子に較べると倍以上年を取っているように見えた。
それほどセックスのせいでやつれていったのだ。
それに比べ淳子はどんどん美しさを増していた。
まるで隆徳から若さを吸い取っているかのようだった。
隆徳は自分の体力の限界を感じながらも夜になると淳子と交わった。
そのときだけはなぜか元気なのだ。
まるで命を削ってセックスしているようだった。


あのサイトは実はいわゆる悪魔が馬鹿な人間の生体エネルギーを奪うために開設していたものだった。
淳治は悪魔の力で性を変えられ、知らず知らずのうちに悪魔の手先として隆徳と交わって生体エネルギーを奪っていたのだ。
生体エネルギーを奪われた隆徳はその結果老けてしまった。
相当な寿命を奪われた結果として。


皆さんもネット上で性転換を実現するようなサイトを見つけたら、それは悪魔の誘いかもしれません。
くれぐれもご用心くださいませ。


《完》

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